中国の洪水神話

 昨年に続き今年も悲惨な水害が日本を襲った。洪水が東日本で短期間に多発したのは過去に例を見ない。これからも水害は起きるであろう。しかしながら、治水史をみれば洪水被害は有史以来、たびたび国土に起きていた。近代の土木技術は強力なものであり、水害は減った。だが、それも自然の猛威の前には一時的な弥縫策だったといえるだろう。 お隣の中国でも同じようなものだったし、もっと破格な洪水が頻発していた。それを物語…

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理想主義を目指す君主を待ち受ける命運

善政により理想的な統治を行った王者や政治家は、悪政により後世に名を残した統治者より圧倒的に数が少ない。 過去最大級の規模の理想政治を目指したアショーカ王は仏教を重んじインド全土に慈悲の統治を実現しようしたその結果、彼を待っていたのは悲惨な晩年だった。高邁な理想をもって大和朝廷を指導しようとした聖徳太子も似たような命運をたどっている。短い政治活動の後半は蘇我氏との権力闘争で暗澹たるものだったようだ…

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心理学の創設者アリストテレスの驚嘆すべき剛腕と特異性

 原題を『デ・アニマ』、訳せば 『心とは何か』あるいは『霊魂論』はアリストテレスの才能が最盛期の頃の会心作であろう。史的に言えば、この論文で「心理学」という新たな学問を一気に打ち立てたといえるだろう。 今田恵は「アリストテレスは,世界における最初の心理学書を著わし,歴史的記述からはじめて,自説を体系的に述べた」としている。  その心理学の研究としての価値は専門家に任せよう。アリストテレスの破格…

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